2018/9/27初稿
2020/9/8更新(動画追加)
このサイトを読んでくださった方からときどき「内容が難しい」、「よくわからない」との意見をいただく。
はじめてご覧いただく方には説明不足で不親切だとも感じていたので、タイムトラベルやタイムリープに関する基礎的な知識を紹介するコーナーをつくってみた。
専門用語をだらだらと並べてもおもしろくないので、Q&Aで解説していく。
はじめに基礎の基礎から
Q1:「タイムトラベル」と「タイムリープ」、「タイムスリップの」の違いは?
A1:
●「タイムトラベル」(時間旅行)は、タイムマシンなどの乗り物やワームホールやブラックホールなどの自然現象を使って、過去や未来に自分の意志で身体ごと時間移動すること。
「タイムワープ」(時間歪曲)や「タイムトリップ」(時間旅)とも呼ばれる。
●「タイムリープ」(時間跳躍)は、自分の精神(魂)だけが過去や未来に時間移動すること。タイムトラベルのように身体的な移動を伴わない。基本的には自分の人生の過去や未来にしかリープできない。
ちなみに「タイムループ」(時間反復)は、同じ時間を何度も繰り返す現象で、たった1文字の違いだがまったく意味が異なる。
※海外では「TIME LEAP」ではなく、「JUMP TIMELINES」という表現が使われる。このサイトの「海外のタイムリープ事情」参照。
●「タイムスリップ」(時間滑落)は、何らかの原因で、自分の意志でなく過去や未来へ時間移動してしまうこと。タイムトラベルのように身体的な移動を伴う。
Q2:タイムマシンは理論的には実現可能って本当?
A2:
本当。現在の技術力で作ることができるかと言えば「NO」だが、物理学の理論では可能性として検討されている。
ちなみに過去へのタイムトラベルは、未来へのタイムトラベルに比べてずっと難しい。
Q3:未来にタイムトラベルする方法は?
A3:
アインシュタインの相対性理論では、光速に近い速度で移動したり、重力の強い場所にいると、時間の経過が遅くなる。周囲の時間より自分の時間の方がゆっくり進むので、元の速度や場所に戻ると未来へ旅したことになる。
Q4:相対性理論って2種類あるそうだけど、違いは?
A4:
相対性理論には「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」がある。
「特殊」の方がスペシャルな感じがするけれど、どちらが優れているかと言えば「一般」の方。
アイシュタインが「特殊相対性理論」を発表したのは1905年で、「一般相対性理論」が発表されたのはその10年以上も後。
「特殊」と「一般」の大きな違いは条件が限定されているかどうか。「一般」の方が文字通りにより一般的。
わかりやすさ優先でざっくり説明すると、
「特殊相対性理論」は、この宇宙では「光」の速度が唯一不変なもので、空間や時間は光の速度を基準にしてのびたり縮んだりするという理論。
「一般相対性理論」は、「特殊」に「重力」が加わり、「重力」の強さによって空間や時間が歪んでしまうという理論。
Q5:過去にタイムトラベルする方法は?
A5:
最初にお断りしておくが、「時間を巻き戻す」という意味で過去にタイムトラベルすることはできない。
例えば単純に10年前に時間を巻き戻すと、地球もあなたの身体も、そしてあなたの記憶もすべて10年前に巻き戻ってしまい、タイムトラベルした事実が無くなってしまう。
Q6:光の速度を超えたら過去にタイムトラベルできるんじゃないの?
A6:
できない。「特殊相対性理論」で説明しているように、光の速度に近づくと時間は遅くなるが、この宇宙では光の速度を超えることはできない。
でも実際に、過去へのタイムトラベルを研究している科学者がいる。
Q7:科学者が考えた過去へ行くタイムマシンとは?
A7:
(その1)キップ・ソーン博士のワームホールを利用したタイムマシン
ワームホールとは空間と空間とをつなぐトンネル。
ワームホールの出口を光速に近い速度で動かすと「特殊相対性理論」により時間が遅れる。その状態で入口に入ると少しだけ過去の出口から出ることができる。
※詳しくは「現時点で最も実現性がありそうなタイムマシン」(2017年度物理版)を参照。
(その2)CTC(Closed timelike curve/閉じた時間の輪)
1949年に数学者のクルト・ゲーデル博士が「一般相対性理論」から導かれる答えの1つとして、過去へのタイムトラベルの可能性をはじめて発表した。
CTCとは未来と過去が1つの輪のようにつながっていて、未来に向かって出発したのに、いつのまにか過去にたどりついてしまう時間の輪。
※詳しくは「現時点で最も実現性がありそうなタイムマシン」(2017年度物理版)を参照。
(その3)マレット博士のタイムマシン
「一般相対性理論」により強い重力は時空を曲げるが、逆に曲がった光は周囲の時空をゆがめることができるという仮説を利用したタイムマシン。
タイムマシンが完成したより後の時間という条件付きだが、未来の情報を過去へ送ることができる。
※詳しくは「ワームホールが現実になる日(2)」(CTC)を参照。
(その4)リチャード・ゴット博士の「宇宙ひも」を利用したタイムマシン
「宇宙ひも」とは宇宙のはじめのころにできた(かもしれない)とても大きな質量をもった「ひも」で、この重い「ひも」によって周囲の空間が歪められる。歪んだ空間を通ると時間を飛び越えて過去へ移動することができる。
※詳しくは「現時点で最も実現性がありそうなタイムマシン」(2017年度物理版)を参照。
(その5)並行宇宙を使うタイムマシン
われわれの宇宙とよく似た宇宙を探してワームホールでつなぎ、われわれの宇宙より未来を進む宇宙に移動できれば未来へ、過去を進む宇宙に移動できれば過去へ行くことができる。
※詳しくは「ホーキング博士とタイムトラベル」を参照。
Q8:地球も太陽系も常に移動しているので、そのままの位置で過去に戻ったら、そこに地球はなく、宇宙に放り出されるのでは?
A8:
(A7)で紹介しているタイムマシンなら、さすがに大学の博士たちが考案したものなのでぬかりはない。
ワームホールや量子もつれを使って4次元時空を歪めてくっつけているので、空間的にも過去と未来がつながっている。
Q9:タイムマシンで過去にいくと、現在ではタイムトラベラー1人分の質量が減り、過去では逆に1人分質量が増えるので、質量保存の法則に反するのではないか?
A9:
その瞬間の宇宙で考えれば減ったように見えるが、タイムトラベル先の過去でちゃんと1人分増えているので、4次元時空全体で考えれば質量は保存されている。
Q10:過去へタイムトラベルが可能ならば、なぜ未来から来たタイムトラベラーが現代に現れていないのか?
A10:
●タイムトラベラーはみんなはずかしがり屋だから。
or
●タイムトラベラーだと公表するのが禁じられているから。
or
●現時点でタイムマシンができていないから。
(A7)で紹介したタイムマシンは、すべてタイムマシンができる前の過去に戻ることはできない。
Q11:過去へタイムトラベルするとパラドックスが起こるのでは?
A11
過去にタイムトラベルして自分が生まれる前に両親を殺すとどうなるのか?という「親殺しのパラドックス」や、倉庫で見つけた設計図からタイムマシンを作って過去へ行き、その設計図を倉庫にしまった。最初に設計図を書いたのは誰か?という「情報起源のパラドックス」などが代表的だが、最近ではパラドックスを解決する方法も検討されている。
※詳しくは「タイムトラベルのパラドックスをすべて解決する新理論」(並行歴史)を参照。
Q12:タイムリープした後の自分はどうなる?
A12:
たぶん普段通りに生活している。
タイムリープが成立するための条件として、われわれの脳が生み出した「意識」とは別に、もっと深い層で「魂」が存在する必要がある。(リープとはその魂だけが移動すること。魂は5感を通して世の中を観測しているにすぎない)
「魂」だけ移動しても(脳によって生み出される)「意識」は存在しているので、普段通りに行動できる。
リープ後の自分は、周囲から見ればリープ前と何も変わらない。
※詳しくは「タイムパラドックスを回避するには?(2)」を参照。
Q13:タイムリープが成立するための条件とは?
A13:
(その1)現在の医学では、われわれの意識は脳が作り出していると考えられているが、われわれが自分を自分だと認識するこの感覚を「自我」あるいは「魂」とするならば、自我(魂)は脳が作り出す意識とは切り離されて存在しなければならない。
なぜなら自我(魂)も脳から作り出されているとすると、過去へタイムリープして脳が過去の状態に巻き戻ると脳の中の記憶や自我まで戻ってしまう。
タイムリープという現象が実際に存在するなら、自我(魂)は意識と切り離されて存在しなければならない。
(その2)
われわれの記憶が脳以外のどこかにバックアップされていなければならない。
バックアップがなければリープ後の自我(魂)に記憶を受け継ぐことができない。
バックアップされる場所は、例えばはるか彼方の宇宙の境界にある事象の地平面、バックアップの方法は量子のもつれなどが考えられる。
※詳しくは「タイムリープで過去に戻る方法(1)」を参照
この基礎知識は、順次追加していく。
質問があれば、ぜひこちらへ
下記の情報もお待ちしています!
●あなた自身や友達、ネットの情報でもいいので、おもしろそうなタイムトラベルやタイムリープのエピソード
●知り合いの未来人
●秘かにタイムマシンを開発している方、独自のタイムトラベル理論をお持ちの方、ぜひいっしょに可能性を追求しましょう!