2020/7/11初稿掲載
2020/8/13(アンケート報告を追記)
2022/4/13(一番下にアンケート報告を追記)
2023/3/17(一番下にアンケート報告を追記)NEW
「あなたの望む世界を選択する方法」
正直多少のバズを狙ってつけたタイトルだが、実際の記事の内容とかけ離れたタイトルではないので、安心・・・いや、期待してほしい。
この記事を書くきっかけになったのは、今年の5月ごろネット掲示板5chに現れた人物の投稿だ。
彼はさまざまな並行世界を旅するように移動しているパラレルワールド・ウォーカーだという。
自らコテハン(固定ハンドルネームの略/ネット上のニックネーム)で「近未来」と名乗っているので、以下「近未来氏」と呼ぶ。
彼が登場したのは、
の2020年5月4日の32レス。ちなみにこのスレッド(話題)を立てたスレ主とは違うようだ。
「なんだ、5chからの情報か・・・」
とこのページを離れようとしたあなた、ちょっと待ってほしい。
近未来氏は「新型コロナウイルスに関する予言」や「地震の予言」もしていて、しかもそれが的中しているとは言い難いのだが、注目したいのは、彼がスレッドの中で提示した「パラレルワールドの移動方法」を使って、実際に「日常が変化した」という投稿がいくつか寄せられたことだ。
※近未来氏の予言ついては下記のnoteの記事を参照。
●#私の不思議体験 「パラレルワールド・ウォーカー」並行世界を移動する近未来氏
note/BTTPより
●給料日とか、生姜焼きとかの例で質問した者だけど、できたかもしれない。過去未来には行けないけど世界線を越えた気がする。
アドバイス通り「グラスをとるぞ!」と決心してとる、というようなことを昨日の夜くらいから沢山やってたんだ。水を飲むぞ!とか猫を撫でるぞ!みたいな下らない事ばっかりだけどね。
それで今日、仕事中メッセージを確認してたら、全く送った覚えのないメッセージを昨日同僚に送ってた。仕事上の普通の内容で、むしろ必要なやりとりだったから何も問題はないんだけど、びっくりした。今までよりちゃんと仕事してる世界線ぽくて良かった。
まぁもしかしたら完全に送ったの忘れてただけかも知らんけどw
でもちょっとワクワクしたよ!今後も色々試してみます。
近未来さん、楽しい事教えてくれてありがとう!
●ちょっと待ってくれ。もしかすると俺も成功したかもしれん。
前からこのスレにいすわってたんだけども、近未来氏が言う意識的な選択みたいなものを俺もしてたんだ。
で今前のスレを読み返してみたら近未来氏が記憶にない発言とか違った言い回しとかしてる気がする・・・。
単なる記憶違いの可能性もあるが・・・。
●こんなこと言ったら信じちゃってバカみたいとか言われるかもしれないけど、意識的な選択というのをやり始めて変なこと起きたよ。
友達からのライン通知で確認したのと、開けてみた時と、内容と件数が違ってた・・・。
ラインのバグか私の気のせいかもしれないけど。
●初カキコ、、、ども。
近未来さんの話は初めて聞くけど今までのオカルト知識やマンデラ実体験から、本当にそうなんだーと思えた。
自分も意識してから行動を繰り返してたら、3日目にしてちょっと変化があった。
結婚4年目のツレとなあなあの関係しか築けていなかったが、今日ふとした話から自然とお互い今後はきちんとやっていこうというふうに話し合えた。
ちょっといい世界線に来れたような気がするよ。
●未来人ありがとう。
意識的に選択ってのも段々コツ掴んできた。
もう少しやってみるわ。
もちろんネット掲示板なので、これらの投稿がすべて真実かは定かでない。
ただ後で紹介するが、近未来氏の提示した方法はアドラー心理学やGoogleでも採用されているマインドフルネスの考え方との共通点があり、最新の量子力学や脳科学に基づいた意識のとらえ方、時間のとらえ方にも通じているのだ。
ということで、私も実際に試してみた。
すると、人間関係で行き詰まっていた問題が、少しだけ好転したのである。
いずれにしても、今、悩みを抱えている方、例えば学校や会社、家庭内での人間関係に問題を抱えている方、近未来氏の「あなたの望む世界を選択する方法」は特別な訓練や道具も必要としないので、「物は試し」という軽い気持ちでやってみたらいかがだろう。
※そして実際に日常が変化したなら、今後同じような悩みを抱えている人の助けになるかもしれないので、この方法が本当に効果があるのか検証してみたい。
この記事の最後にあるアンケートにぜひご協力ください。
それでは近未来氏の「あなたの望む世界を選択する方法」を紹介する前に、その根拠となる彼の提示した理論から解説していく。
近未来氏はまず、われわれが普段当たり前に感じている「時間感覚」に異を唱えている。
彼によれば、「過去」や「未来」は存在せず、「現在」がずっと続いているという。
われわれは過去→現在→未来という「時間の流れ」が、具体的なモノサシとして他人と共有しやすく便利だから、「存在しているように見えているだけ」だという。
近未来氏はスレッドの中で、自ら手書したイラストを使って、彼の理論やこの世界の仕組みを説明している。
※イラストは彼の著作物なので、近未来氏のアイデアを基に私(BTTP)が書き起こした。なるべくわかりやすくするために(趣旨は変えないよう)文章の一部も変更している(近未来氏の元の文章が見たい人はこちらの276レスからを参照)。
※近未来氏は「世界線」という言葉を多用しているが、本来は「相対性理論における光子などの粒子が移動する経路」のこと。ただし、近未来氏は「異なる歴史をもった世界」、いわゆる「パラレルワールド」の意味で使っている。
※近未来氏は猛虎弁(関西弁ぽい言葉)だが、関西在住ではないという。ではなぜ猛虎弁を使っているかというと、普段使う標準語では文章の癖が出て、身バレするのが怖いからだそう。
近未来氏:まず図1を見てもらってええかな。
Aという表があるんやが、この表の中には、君の持っている固有のID、そして世界線ID、天気、場所、持ち物…などありとあらゆる要素が入っとる。一番右には時刻も入ってるわ。実際は無限と言って差し支えない量の情報が入っとる。
つまり、今の君を構成しとる全ての情報がここに詰まっとる。
この連続で「今」が存在しとる。
この表の中を君はIDが進むごとに、点いては消え、点いては消え、点滅しながら移動しとる。
次に図2を見てもらうとやな、
真ん中の上にさっきのAという表があるわな。ところが、右にも左にも奥にも下にも同じようなBやCの表があんねん。
中身は別々やが、さっきの「君の持っている固有のID」の表が、レイヤー(重ね合わせ)のように存在しとる。
これも、とにかく膨大な量があんねん。
図3は君が起きてから、どんな選択をするか、を簡単に書いたものや。
上に行くと2度寝のパターンやな。下に行くと目を覚ますパターンや。
こういう風にして、君はとんでもない速さで、しかもほぼ無意識下で選択を行なっとる。その選択はとてつもないスピードと量や。
「起きる→ご飯食べる→スマホいじる」という選択をして(紺色の太線)、さっきの図1みたな表が作られるわ。データもどんどん書き込まれていく。
この進行方向だけを見ると1つの方向に進んでるようにしか見えんやろうけど、実際は君が起きてから、ありとあらゆる方向に選択肢は一瞬で広がるんや。
あくまで君が選択した結果はこの一方向だとしても、それ以外の方向にも網の目状に選択肢が広がっていく。
その都度、生成されるのがさっきの図2の表や。やからAの表以外にもB、C、D、E・・・と無限に表は生成される。
ただしやな、肉体は1つだけや。だから他の表に君がいるわけではない。
でも他の表の中にも、Aの表にも書いてあった「君の持っている固有のID」は書き込まれている。
これが世界線の移動の鍵になるから、この「固有のID」の話は忘れんようにしといてな。
んでな、結論なんやが、君は、選択によって既に世界線の移動はできとる。
さっきの図3をまた見てもらうとやな。
「スマホいじる→ゴロゴロする」という選択(赤色の太線)は別の分岐と結合した所や。図2でいうと、Aの表で作られた部分と新たに別の表Bが連結した所やな。
何故これができるかというと、さっき言った「固有のID」のおかげや。表は別々でもこの「固有のID」のおかげで表は結合、連結される。
すると世界線が移動する。
もちろん君自身には実感なんか無いやろうけど、選択によってAの表とBの表が連結したわけや。
これはAの表とBの表を「紐付けた」んやけど、それを可能にしたのが「固有のID」や。
この「固有のID」は君だけの値で、他人と被ることは無い。
やから君の作成した表であればどこにでも行けるっちゅーことになる。
「既に世界線移動してると言われても実感無いです!」って言うわな。
図2のAとBの表の移動すらも、君は無意識やもんな。
それは君が図4のように感じてるからやな。
図4の移動は一方通行に見えるで。
ところが実際は図3のようにゴリゴリに移動しまくっとる。ちなみに移動っちゅーのは物理的なもんやなく、「ボーッとする」ってのも君の選択によって得た移動やからな。
んでな、世界線移動しとるという前提で考えても君が腑に落ちないのは「特定の」、「意図した」世界線に行けてないからやろな。
特定の意図した世界線に行くためには、先に結果を定義しておくことや。
図5は100万円欲しい人の図や。
分かりやすいやんな。
面接して合格して働いて、ゆくゆくは100万円ゲットやねん。
これは図4のままで考えてしまうと、この進行方向しか無いと思うんやけど、思い出して欲しいのが図2や図3や。
実は君は世界線をゴリゴリ移動しとる。
せやから図6が可能や。
100万円を手にしとる状態から選択を集中させんねん。
これは、すでに100万円が手にある状態からスタートしとるで。
図4や図5の進行方向の世界で考えると不可能やけど、図3の進行方向と、図2の「表の結合」で可能や。
さっきの図6では「100万円を手にした状態」ってことや。
結果からスタートして「選択をそこに集中させる」って事やで。
選択のエネルギーが大きければ大きいほど、この結果の質量も大きくなるんや。
まとめるとやな「結果からスタートする」、それは「世界線の移動と結果の定義で可能になる」、これすなわち「特定の意図した世界線へ移動している」っちゅーわけや。
「そんなん言っても具体的ちゃうやんけ!」って考えてる君は、まださっきの図4や図5の考えのままやな・・・。
勘のいい人はもう図2、図3、図6を理解して、あと「選択のエネルギー」についての部分が気になっとるはずや。
先にエネルギーについて説明するけど、エネルギーはアインシュタイン先生のこの美しすぎる式が有名や。
E=mc2
まぁ、これざっくり日本語で言うとな、「エネルギーは物体の質量に変換でき、物体の質量はエネルギーに変換できる」っちゅう式やねん。
さっき図3の説明しとる時に「君はとんでもない速さで、しかもほぼ無意識下で選択を行なっとる。その選択はとてつもないスピードと量や」と話したけどな。これつまりとんでもないエネルギーっちゅうことやねんな。
目に見えないからエネルギーが存在してないと思うたら大間違いやで。
このとんでもないエネルギーが、さっきの式で言うところの「物体の質量への変換」を可能にするんよ。
「もうすでに世界線の移動もしてるんやで」って事や、「時間は存在していない」事や「結果の定義」をもとにすれば、勘の良い人はぼちぼち自分で選択した世界線に移動出来るはずやけど、どやろ。
最初は移動距離がほんまにご近所にしか行けへんから、何が変わったかわからんかったり、差分すらも感じられへんと思うけどもやな。
●時間は常に「今」のみが存在している。
●分岐により網の目状にこの瞬間も選択肢が広がっている。
●結果から定義する。
以上をしっかり理解して、自分で認識すればいけるで。
訓練とかも要らんけど、1つ必要なのはパラダイムシフト、つまり考え方の切り替えだけや。
まずは一度、すぐ目の前の分岐を主体的に選択して行動してみる、つまり「意識的な選択」してみることや。これをできるだけ連続してやる。
考え方を切り替えて「意識的な選択」ができれば、図6の結果の定義も理解出来るし、選択のエネルギーが徐々に増えていくから、世界線の移動距離や物質の質量自体が大きくなって、差分も分かりやすいで。
以上が近未来氏の理論だが、これを現代の物理学や脳科学で考えてみよう。
まず「時間」のとらえ方。
近未来氏がスレの中でとても参考になるとして下記の動画を紹介している。
近未来氏:この5:54~7:30を理解してくれると、ワイが言ってる話もピンと来るかもやで。
この動画で紹介されているのは「ブロック宇宙論」という考え方だ。
「ブロック宇宙論」は、イギリスのジュリアン・バーバー博士などの物理学者が主張する「過去・現在・未来」は同時に存在するという「永遠主義」(wiki)を説明する理論で、宇宙がはじまったときにすでに過去・現在・未来のすべての時間が存在し、宇宙誕生の瞬間からわれわれの運命はすべて決まっているという決定論的な考え方だ。
物理学者も近未来氏と同じように、われわれが普段当たり前のように「時間が流れている」という感覚は「錯覚」だと考えている。
例えば20世紀の物理学を代表するアインシュタイン博士の特殊相対性理論では、時間は空間の4つ目の次元であり、「時間の流れ」はわれわれの心の中にのみ存在し、外界の特徴ではない。
ブロック宇宙論をベースに開発された「スポットライト理論」では、「時間が流れる」という感覚は幻で、過去から現在へ、現在から未来へスポットライトが移動していくような様子が「時間が流れている」ように見えるだけと説明される。
宇宙誕生から終わりまでのすべての時間は同時に存在しており、スポットライトが過去から現在に移動したから過去に戻れないのであって、単に「過去」という物に触れる事が出来なくなってしまっただけだというのだ。
だが、ブロック宇宙論の決定論的な考え方は、「量子力学の非局所性(われわれを構成する最小単位の素粒子は、観測されるまでは波のように広がっていて、どこにあるかが決まっていない)」と矛盾する。
最新の量子力学では、われわれの世界の真の姿は「非局所的」であり、空間も時間も派生的なものと考える。
この宇宙の過去・現在・未来は誕生したときにすでに存在しているが、それぞれの無数の時間の可能性は非局所的で定まっておらず、常にゆらいでいる。
だからスポットライト理論を量子論で書き直すと、この宇宙のさまざまな可能性は宇宙誕生時に生まれているが、その瞬間にどの可能性を選択するかという運命は決まっておらず、常にゆらいでいる。
どの可能性を選択するかは量子力学的にいえばシュレーディンガー方程式の確率による。
われわれが観測したときにはじめて、さまざまな可能性が1つに収束するのだ。
今度は脳科学の観点から考察してみよう。
次の実験はフランスの神経科学者スタニスラス・ドゥアンヌ博士によるものだ。
4つのスクリーンのどれか1つにごくわずかな時間刺激(映像)が映し出され、どのスクリーンに表示されたかを答える実験で、0.3秒を超えたあたりから脳の活動の明らかな増加が認められた。
ドゥアンヌ博士によれば、「われわれは外界からのシグナルを意識する際、少なくとも0.3秒は遅れた状態で意識している」という。
「あなた」という意識は、実際には0.3秒遅れの世界を見ているのだ。
さらに、UCLAの神経外科医イツァーク・フリード博士は、てんかん患者に協力してもらい前頭前野に電極を刺入し、いつでも好きな時にボタンを押してもらった。
患者がボタンを押す0.9秒も前に、多くのニューロンの活動レベルが変化し、患者がボタンを押そうとする前に、実験者はそのタイミングを80%以上の確率で予測できた。
ボタンを押すためには指の筋肉を収縮しなければならず、筋肉が収縮するためには活動電位が必要で、活動電位が発生するためには脳の運動野ニューロンが発火しなければならない。
しかしニューロンがいつ発火するかはランダムで、脳内の特定の回路の「無意識」によって引き起こされる。
ボタンを押そうとする行為は「無意識」下でランダムに決定され、あなたの「意識」とは無関係のようなのだ。
指をいつ動かすかという単純な動作と、われわれが日常生活の中で行っている複雑な意思決定を単純に比べることはできないが、われわれの「意識」は「無意識」に大きく左右され、あなたの「自由意志」はランダムなニューロンの発火によって確率的に決まる。
以上の考察をまとめると、われわれの普段感じている過去・現在・未来という時間の流れは存在せず、しかも「今」は常にゆらいでおり、観測によって確率的に1つに収束する。
さらにわれわれの主観的な「意識」も「無意識」下のニューロンのランダムな発火に支配されており、ある意味われわれの行動は無意識による確率的なものだといえる。
そんな馬鹿なと思うかもしれないが、普段通いなれた道を歩いていたとき、ふと「こんなところまで来ていたのか」と気づいたことはないだろうか?
また慣れ親しんだ曲をギターで弾いているとき、次にどの弦を押さえるか考えなくても、指が自然に動いて演奏できる。これも無意識下のコントロールによるものだ。
近未来氏の主張する方法の鍵は、この普段無意識下に行われる行動を、自分の意思により「意識的に行う」ことで、われわれの行動に「意識的な選択」という意味付けをすることだ。
それではいよいよ近未来氏の「あなたの望む世界を選択する方法」を紹介しよう。
まず近未来氏の理論をもう一度まとめておこう。
1.時間は存在しない。
2.世界線の移動はすべての人がいつも行なっている。
3.世界線の移動は選択によって可能。
4.選択とは結果を取得する際の分岐や集中を指す。
5.世界線の移動をすべての人が行なっているにもかかわらず、その認識が本人に無いのは、自分が選んで「意図した」世界線に行けていないから。
6.自分が選んで「意図した」世界線に行くには、自らの選択によって望んだ結果を取得する事が必要。
7.結果から原因に向かう事も可能。
これを踏まえてまず第1の方法は、
気を抜くとわれわれは無意識で行動してしまう。
なぜ無意識で行動してしまうかといえば、それが楽だからだ。
実際に試してみよう。
あなたは今のどが渇いている。目の前に水の入ったグラスがある。
普段は何も考えずそのままグラスを手に取ってのどを潤すはずだ。
その前にグラスをよく観察してほしい。表面についている水滴や触ったときのヒヤッとする感覚、グラスに映り込んだあなたの顔や周囲の景色。
次にグラスを手に取り、その水で「乾いたのどを潤すぞ」と意識して飲んでほしい。
口に含んだ時の水の味、感触、温度、そして飲み込んだときののどの動き、ゴクリという音、胃の中に落ちていく水の感触。
あれこれ他のことに意識をめぐらすことなく、今あなたが五感で感じている感覚に集中して、意識して行為を行う・・・これが近未来氏のいう「意識的な選択」だ。
これによく似た方法が最近別の呼び方で知られている。
Googleでも瞑想方法として採用されている「マインドフルネス」だ。
この「意識的な選択」(あるいはマインドフルネス)は、誰もが子供のときには当たり前に行っていた。
子供時代は、見るもの、聞くもの、触れるものすべてが珍しかったから、「これはどんなものか?」、「触っても危険はないか?」、「どんな味がするのか?」、「匂いは?」などと五感をフルに使って意識的に情報を取り入れていたはずだ。
だから近未来氏いわく、
子供のころの不思議体験って腐るほどあったはずや。
これは明らかに世界線ゴリゴリ移動しとったのを体感しているはずやけど(よく分からん土地ワープしてたり、よく分からんものを見たり)、いつしか大人になって忘れていた感覚やな。
ただ、この方法を大人になった今、日常生活の中でいつも意識的に行おうとすると、しんどい。脳が疲れてしまう。
慣れるまでは、ほどほどに自分のペースでチャレンジしてほしい。
第2の方法は、さきほど説明した子供時代に持っていた新鮮な感覚を取り戻す方法だ。
これは普段見慣れたものに対して、子供が「はじめて」見る、聞く、触れるように感覚をリセットして接する方法だ。
例えばはじめてスマホを見たとき、何の知識もなければ「これはどうやって使うものか?」、そもそも「これが何なのか?」わからないだろう。
おそらく江戸時代の人がスマホに触っても、まず電源の入れ方がわからず、偶然電源が入っても、画面に表示された文字や絵は意味不明だろう。
しかも適当に触っていたら、偶然電話がかかって薄い板の中から誰かの声が聞こえてきたり、小さな画面の中で人間や風景の映像が動きまわるのだ。
なかなかここまで感覚をリセットするのは容易ではないが、例えば飛行機や電車に人生で初めて乗ったときを思い出して「今」と重ねてもいいだろう。
初めて飛行機の搭乗ゲートを通ったときのワクワク感、初めてシートに座ったときの感触、機体が動き出しふわりと浮かび上がったときの緊張と感動、今では珍しくもなくなった感触を、リセットしてもう一度味わってほしい。
そしてあなた自身をゆっくりと観察してみる。
「色彩感覚に変化はあるか?」、「周りの音に変化はあるか?」、「身体のどこかに変化を感じるか?」
近未来氏によれば、特に「色彩感覚」に変化が起こりやすいそうだ。
明るく晴れたような感覚、目の前がまぶしく、色鮮やかに見える・・・こんなにも世界は色にあふれていたのかと、あらためて実感するという。
また水道の蛇口から水が滴り落ちる音など、些細な日常の「音」にも気づくようになる。
「身体の変化」については、人によるが、急に不安になったり口が渇くこともあるので、そんなときは十分に水分を取った方がいいそうだ。
第3の方法は、わざと日常に変化を与えて新鮮な体験をする方法だ。
ノイズは、普段当たり前のようにこなしている行為を、少しだけ変えてみることだ。
例えば学校や会社からの帰り道、いつもとは違う脇道に入って遠回りして帰ってみる。
知らない道に入れば、次の曲がり角を右・左どちらに曲がろうかと「意識的に選択」せざるをえない。
そのとき「見える景色はどうか?」、「家や車や出会う人たちの様子はどうか?」をじっくり観察する。
そして家に帰るために元の帰り道に戻ろうとしたとき、やがて合流したときの感覚も覚えておく。
脇道にそれたのだから元に戻るために、あなたは「家に帰るための意識的な選択」をしたはずだ。
そのとき「周囲の景色やあなたの気分はどう変わったか?」を観察する。
近未来氏によれば、無意識下の選択でも結果を手にすることはできる。
だが無意識的な選択だと、あなたが意図した世界線、望んだ結果ではない可能性が高い。
例えば、いわれのない差別や虐待を受けていたり、劣悪な環境におかれていたり、破滅的な感情にとらわれていたり、人間関係にトラブルを抱えていたり・・・など、主体的に望んだ結果ではないからコントロールができず、コントロールできないからそれに振り回されて疲れてしまうという負の連鎖に陥る。
意識的に選択できたなら、主体的に望んだ結果だからこそ、その世界線はコントロールが可能だ。
まず1つだけでもいいから意識的な選択によってあなたの望んだ世界線を手に入れてほしい。
1つもで取得できれば負の連鎖を断ち切るきっかけになり、その後は望む世界線に次々と移動していける。
その具体的な方法は、「再帰」を使うことだ。
普段われわれは次のような流れで結果を手に入れている。
これを「順次」と呼ぶ。
次にこれを反転させる。
反転させたものを「再帰」と呼ぶ。
「順次」と「再帰」は方向こそ違うが次の図のように組み合わせると、中身は同じだ。
大人になって経験を積むと、「○○しなければならない」、「○○でなければいけない」という認識からスタートするから、図7の右側の「順次」だけの移動しかできなくなる。
「いじめられるのに、明日も学校に行かなければならない」、
「苦手な上司に毎日いびられ心身ともに疲れているが、会社に行かなければならない」、
いや、本当に「行かなければならないのか?」
「行かなければ学校が卒業できない」、
「行かなければ給料がもらえず生活できない」、
本当にそうだろうか? 本当にそれが「今」のあなたにとって一番大切なことか?
もしそれがあなたの命まで奪ってしまうような深刻な状況なら、「行かなければならない」なんてことは絶対にない。
試しに「行かない」、「休む」、「逃げる」という「結果」から意識的に選択してみればいい。
これは図7の右側の「順次」から左側の「再帰」に切り替える方法だ。
やってみれば意外に「今まで自分を縛り付けていたものは何だったのか?」に気づくはずだ。
近未来氏いわく、
子供の頃なぜあんなにもゴリゴリ世界線移動して体感できていたのか? それはリセットやノイズをやりまくってた上に認識は柔軟やったからや。
せっかくの人生やから、楽しみましょ。
近未来氏の方法を考察していて気づいたのが、オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラー氏が生み出した「アドラー心理学」を題材にヒットした「嫌われる勇気」との共通点だ。
※近未来氏は彼の方法を「さまざまな本を読んで思いついた」と語っているが、もしかしたらその中の1冊に「嫌われる勇気」があったのかもしれない。
「嫌われる勇気」でも、時間は「今」しかないことに気づくべきだと言っている。
われわれは過去の因果によって現在が作られているように信じ込んでいるが、過去にどんな原因があったからといって、必ずしも現在がその影響を受けた1つの結果に収束するわけではない。
たとえば子供のころに虐待を受けた人全員が、大人になって子供を必ず虐待するわけではない。
中学や高校でいじめにあった子供がみんな、登校拒否になったりニートになるわけではない。
現在困っている課題に対して、自分の意思でコントロールできるものと、コントロールできないものとに分け、コントロールできるものだけに集中する。
これはアドラー心理学の「課題の分離」という考え方だ。
近未来氏の「意識的な選択」は、自分がコントロール可能な主体的な意識に集中し、自分の望む方向へ創造力を発揮させるという点で「アドラー心理学」とよく似ている。
たとえばいつもあなたに嫌味を言う上司や友達がいたとする。
だが、もしかしたら彼らは悪意なく無意識にそのような暴言を、ついあなたに吐いているのかもしれない。
またあなたも、つい無意識的に彼らにマイナスの感情を抱いているのかもしれない。
彼らの行動を変えることはできないが、あなた自身の感情なら意識的に変えることができる。
意識して無視することもできるし、逆に「いつも私のことを気にかけてくれてありがとう」とプラスの表現で返すこともできる。
こういう風に意識を変えることはなかなか難しいが、意識して成功したとき、あなたは自分の望む世界線に移動できているはずだ。
今、悩みを抱えている方、例えば学校や会社、家庭内での人間関係に悩まれている方、近未来氏の「あなたの望む世界を選択する方法」は特別な道具や訓練も必要としないので、「物は試し」という軽い気持ちでやってみたらいかがだろう。
実際に少しでも日常が変化したなら、下記のアンケートにぜひご協力をお願いします。
今後同じような悩みを抱えている人の助けになるかもしれないので、この方法が本当に効果があるのかを検証するために。
NEW
アンケートを開始してから実際に効果があったという回答もいただいています。
ご協力いただいた皆さん、ありがとうございます。
詳細は下記のnoteの記事を参照。
●「意識的な選択」で日常が変化したアンケート報告(1)ー世界線移動ー
●「意識的な選択」で日常が変化したアンケート報告(2) -世界線移動-
●「意識的な選択」で日常が変化したアンケート報告(3) -世界線移動-
●「意識的な選択」で日常が変化したアンケート報告(4) -世界線移動-NEW
引き続き、近未来氏の「意識的な選択」を使った感想を募集中。