2017/9/29
最近2chのオカルト板に未来人が登場しなくなったと思っていたら、こんなスレが立った。
2ちゃんねるより
未来人たちもこんなスレを待ち望んでいたのか、2062関連のJaugar氏やcrow氏、タピオカ理論関連のolin氏や友人がタイムリープを成功させた飽改氏など、楽しくなるほどバラエティ豊かな面々が登場している。
スレを立てた団氏のコメントもとても興味深い(2chが転載禁止なので上のリンクからご覧を)。
その中でも特に気になった未来人が1人いた。コテ(固定ハンドルネーム)やトリップ(書き込んだ個人を特定するための記号)がついてなかったので、最初の投稿No.から331氏と呼ぶ。
331氏によれば、未来人はメジャー派とマイナー派で覇権争いをしており、マイナー派はいわゆるキリスト系で、メジャー派はマイナー派から悪魔と呼ばれている。
彼らのいた未来では地球は2017年よりも前に破壊されてしまい、宇宙に逃れて生き残ったわずかな人々の子孫がメジャー派とマイナー派らしい。
地球が破壊された後、彼らはいくつかのグループにわかれて宇宙をさまよったが、地球以上に住みやすい星は見つからなかった。あるときグループの1つがタイムマシンを開発し、生存に適した過去の地球に戻って住みついてしまった。それがメジャー派。
過去の地球に戻ったメジャー派は地球が破壊される原因となった事象を改変した。だから私たちのいる2017年の地球は何事もなく存在し、70億人もの人々が暮している。
マイナー派はメジャー派に比べて圧倒的に人数が少なく、メジャー派から地球の覇権を奪い返えそうと同じように過去に戻り、聖書や予言などを使ってメジャー派を悪魔やサタンと啓蒙してきたが、うまくいってないそうだ。
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まるでSF映画のようなストーリーだが、331氏の話で私が気になったのは歴史の改変方法だ。
331氏によると、歴史はVHSテープのようなもので、未来人の手により過去が改変されると新しい歴史に上書きされる。つまりAという歴史が改変された時点からBという歴史になってしまう。多世界解釈のように新しい歴史に分岐するわけではない。
これは「タイムパラドックスを回避するには?(1)」でご紹介している「親殺しのパラドックス」という矛盾を引き起こす。
かんたんに説明すると、あなたが過去にもどって自分の親を殺してしまったら、あなたは生まれてこない。しかし生まれるはずのないあなたは過去に戻って親を殺すことはできない。それならあなたは生まれてくることになる・・・という無限ループが続く。
331氏はこのパラドックスに対して独特の回避方法を提示した。詳しくは「未来人・宇宙人・異世界人は来て教えてくれ」のNo.415からの私(BTTP)とのやりとりをご覧いただきたい。
さて、今回「恐るべき未来人の挑戦」という大げさなタイトルをつけてしまったのは、「親殺しのパラドックス」を引き起こしてまでも、未来人が積極的に過去を変えようとする仮説を思いついてしまったからだ。
「親殺しのパラドックス」を単純化するために、私の大好きな「バック・トゥ・ザ・フューチャー (字幕版)」になぞらえて、過去で自分の祖先を殺してしまうと自分の存在も消えてしまうとする。
331氏の未来は現実であり、地球が破壊されて、仮に宇宙に逃げることができた人類はたったの1万人だったとしよう。
<仮説1>
タイムマシンを開発し、1万人のうちの誰かが過去に戻って見事改変し地球の破壊は回避できた。
しかしその影響で生き残った未来人の祖先が死んでしまい、1万人のうち9000人の存在が消滅してしまった。生き残ったのはたった1000人。
しかし勇敢なる未来のタイムトラベラーのおかげで2017年の地球は存在し、死ぬはずだった70億人もの命は救われる。
さらには次のような恐ろしい仮説も想像もしてしまった。
<仮説2>
未来人がわざわざ危険を犯して過去に戻る必要はない。
科学者たちが未来の世界でクローンを誕生させる。そのクローンたちが過去に戻り歴史を改変する。クローンたちの親である科学者たちは未来の世界にいるので消える可能性は低い。消える可能性があるとすれば科学者の祖先を殺してしまうことだが、科学者全員の祖先を殺す可能性はほとんどないだろう。
<仮説2>の方が<仮説1>に比べて未来の自分が消えてしまうリスクは低いが0とはいえない。でも破壊されるはずの地球が存続していくことを考えれば挑戦する価値はあるはずだ。
今回は急遽書いた原稿なのでいつもに増して間違いや矛盾があるはずだ。ご指摘はぜひこちらまで。