2019/4/1
本日ついに新元号が発表され、2019年5月1日から「平成」に代わり「令和(れいわ)」が元号になる。
新しい元号についてはこのサイトでも「未来人が予言した元号」として、今までに3回記事を書いた。
2016/7/17
●「新元号になる2019年を予言した未来人がいた!(平成の次の元号は「栄安」?)」
2017/1/13
2017/10/21
この中にはかなり期待できる予言もあり、「2041年からのタイムリーパー」さんは改元年の今年(2019年)を当てていたり、2116年公務員の未来人は小池都知事やトランプ大統領の当選を的中させていた。
さて、それでは未来人が予言した中に「令和」があったのかだが・・・・・・残念ながらすべて外れてしまった。
やはり今までに登場した未来人は現代人のなりすましだったのか?
本当のタイムトラベラーは存在しないのか?
負け惜しみに聞こえるかもしれないが、そうとも言い切れない。
ちょうど先日興味深い量子実験が発表された。
●量子実験は「客観的現実」のようなものは存在しないことを示唆する
2019/3/12 MIT Technology Review
量子とは物質やエネルギーの一番小さな単位で、このミクロの世界を研究するのが量子力学だ。
量子の世界ではわれわれが目にするマクロの世界とは違う不思議な現象が起こる。
例えば量子は、粒子と波の2つの性質をもつ。
普段は波のように空間に広がっており場所を特定することができないが、観測されてはじめて粒子として場所を特定することができる。
他にもAとBという2つの状態の他に、観測されるまで、どちらも重ね合った状態である。
さらにAとBの関係がもつれあっていれば、どれだけ離れた場所にあっても、Aの状態が決まれば瞬時にBの状態が決まる。
ただしこれらの量子の特徴を実際の実験で検証することは難しく、頭の中で想像するだけの思考実験に留まっていた。
しかし最近その1つが、実際に実験されたという。
その思考実験は、1961年にノーベル賞を受賞した物理学者ユージーン・ウィグナーが開発した「ウィグナーの友人」だ。
※ここでしようもないダジャレをおもいついたが、なんとかスルーしよう。
この「ウィグナーの友人」という思考実験は、量子の特徴の1つである「重ねあわせ」に関する実験で、ウィグナーとその友人という2人の人間がいて、2人がある1つのイベントを観察したとき、それぞれが異なる事象を観察したとしても、量子力学的にはそのどちらも正しいというものだ。
「ウィグナーの友人」を実際の実験で再現したのはスコットランドのヘリオット・ワット大学やオーストリアのインスブルック大学などの物理学者たちで、物理学の最新の研究が閲覧できるarXivで先々月に発表された。
●Experimental rejection of observer-independence in the quantum world
(量子世界における観測者の独立性の実験的却下)
2019/2/13 arXivより
光の粒子である光子は回転軸を縦軸か横軸かのどちらかをとるが、量子力学の特徴として観測するまではどちらも重なった状態である。
例えば実験室の中にいる人が光子を測定すると、粒子は縦軸か横軸が決まるが、測定結果がわからない実験室の外にいる人にとっては、光子はまだ重ね合わせの状態にある。
だから実験室の外にいる人から見た光子の状態は中の結果とは異なる場合があるが、この矛盾する観察はどちらも間違っていない。
研究チームはこの実験を厳密にするために、2つの「実験室」と2対のもつれた状態の光子を用意した。
これらの2対はもつれ状態にあるので、一方の状態を知ることができれば瞬時に他方の状態がわかる。
4つの光子を物理学の実験でよく擬人化される「アリス」と「ボブ」、そして「アリスの友人」と「ボブの友人」の4名に例えよう。
アリスの友人とボブの友人はそれぞれの別の実験室の「中」にいて、それぞれもつれたペアの中の1つの光子を測定すると重ねあわせがくずれ、光子の状態が縦か横のどちらかに決まる。
実験室の「外」にいたアリスとボブは、その後彼ら自身の観察を行うための2つの選択肢が与えられる。
1つは彼らがそれぞれの友人の結果を測定し、それによって光子について同じ結論にたどり着く。
もう1つはアリスとボブの光子がまだもつれた状態で、光子は波のように振舞い、重なった状態にある。
この状態であれば、外の結果が中の結果と違っていてもおかしくはない。
アリスとボブと彼らの友人とで、光子が異なる状態にあってもどちらも正しいのだ。
研究チームによれば、これが「ウィグナーの友人」という思考実験を実際に検証した実験だという。
論文の最後にはこの実験が「多世界解釈」につながるかもしれないことが示唆されている。
多世界解釈とはこの宇宙にははじめから無数の可能性があって、観察者は「シュレーディンガー方程式」という方程式に従って選ばれた可能性を進んでいくという考え方だ。
観察者が選ばれなかった可能性も重なりあったまま、ずっと残っていく。
※「多世界解釈」、「シュレーディンガー方程式」ついて詳しくはこちらを参照。
多世界解釈で「ウィグナーの友人」を説明すれば、ウィグナーはたまたまシュレーディンガー方程式によって選ばれた世界にいるだけで、ウィグナーの友人は方程式に選ばれた別の世界にいるかもしれないのだ。
今回の研究成果はまだ追試が行われておらず、実際に結論が出されるまでには実験と精査を重ねる必要がある。
しかしこの結果が正しければ、この世界・・・もっと正確に言えばこれを書いている「私」が選んだ世界、あるいはたまたまこのサイトを見ている「あなた」が選んだ世界では新元号が「令和」なだけで、それ以外の元号の世界があってもおかしくないのだ。
そしてこのサイトで何度も紹介している集団的な記憶の勘違い「マンデラエフェクト(マンデラ効果)」。
2017/3/3
●「パラレルワールドはあります!(1)」(異世界もマンデラエフェクトも説明可能?)
2017/8/4
2018/9/14
●「マンデラエフェクトの原因とは?」(勘違い?orタイムマシンの影響?)
2018/11/23
●「この宇宙を食パンに例えたら・・・?」(タイムリープやマンデラエフェクトを解説)
2018/12/26
この現象も、量子実験の結果によれば、他の世界の記憶が複数の人間に蘇った、選んだ他の可能性が干渉して記憶が書き換えられたと考えることもできる。
ある日、ふと気づくと元号が「安始」や「栄安」になっていたり、「平成」がずっと続いている世界にいて、「おかしい! 元号は令和だったはずだ!」と、ネット掲示板に書き込んでいるあなたがいるかもしれない。